長男のこと

ベッドには転落防止の柵が。窮屈感をあおるんだ、これが。

私の人生、長男の病気がターニングポイントになりました。

長男は2018年夏に、超初期の段階で白血病が見つかりました。
いろんな種類の白血病があるので、なんともですが、長男の場合は
8割は治るといわれてます。
現在は、自宅で抗がん剤をのみながら、約1年4か月の自宅療養を続けています。

告知の日は平日の夕方。息子のお迎えを母にお願いし、
私は会社帰りに一人で病院に向かいました。
ぽろぽろ泣く私に、先生が言いました
「僕たちは勝ち方を知っている、ともに戦いましょう」
この言葉を忘れたときはないし、おかげで先生たちを信頼し、
安心して治療をすすめることができました。

1年の入院治療が必要と言われ、そのまま会社にはいけなくなり、
子ども用のベッドで長男と2人、寝泊まりする毎日が、このあと1年続きました。

当たり前にできていたことが急になにもかもできなくなり、
会社にも大きな迷惑をかけてしまいました。
泣きたくても、泣いてはいけない、というシチュエーションも
今までの人生でなかったんじゃないかな。
とにかく緊急事態でした。

でもこの生活で得たものもあって・・

まず1つ目が、家事を手放して子供と向き合う、です。

治療が進むと、病室から出られない日も多く、
ちいさなベッドの中でずーっと一緒に向き合っていました。
すると、昨日までできなかったことができたり、いま長男が何に
興味を持っているかが見えてきて、興味に沿って遊びを与えると
ぐんぐんできること、知っていることが増えていきました。

家にいると、「ちょっといまごはんつくってるから待って」みたいな
シチュエーションていっぱいあると思うのですが、なんせ家事を手放しているから
そんなことってほとんどなく、ただじっと息子のことばかり見て、考えていました。

それでも勝手なもので、「いまままごとしたい気分じゃないんだよね~」みたいな日もあって、そんなときわたしたちは2人でもくもくと粘土をこねたり、絵を描いたりしていました。

粘土で餃子をつくったのがいちばんおおかったかな。
私が皮をつくって息子が具をつつんで、きりきざんでお皿に入れる、みたいなのを
平気で2時間くらいする、みたいな毎日でした。

粘土って癒されるんですよね。。粘土セラピーとかはやらへんかな。
あ、陶芸とかってこの気持ちに近いのかな。
とにかく、もやもやしてる気持ちをいったん傍らに置いて
とにかくこねることをしていたら、ものすごくいやされたんです。
私が。そしてきっと息子も。

入院中には音楽療法やアート療法といったプログラムもうけることが
でき、いずれも息子も私も大好きで、ものすごく発散することができました。
(当時妊娠していましたが、おなかの中の次男も、プログラム中はのりのりで
おなかの中を蹴りまくっていました)

歌う、描く、こねる等の「表現すること」は、上手い・下手はいったんどけておいて、
自分を俯瞰し、悲観的な自分を「ま、いいか」となぐさめてくれました。
そして表現を通じて、息子の興味関心を知ることができました。

2つ目はまた明日。。

atelier BON

自由な表現で五感の解像度をたかめ、大切なものを大切に思える子を育む場所 1歳半から小学校入学前のおこさまを対象とした 宝塚の山手住宅地のちいさなアトリエです

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