わたしの武器は「手紙」でした

息子のはじめての手紙は「しろやぎさんへ 読まずに食べてね くろやぎさんより」でした

何か迷ったり、悲しかった時、どのように自分の感情を外に出しますか?
私は、紙に書きます。文字を図を、紙に書いていると、
「なぜこんな気持ちになっているんだろう」ということが深堀りできたり
「あぁわたし本当はこう思ってるんだ」という気づきがあったりします。

印刷会社で、たくさんの案件を抱えていた時も、忙しくなったら、
カフェや会議室に逃げ込んで、パソコンから離れて、手書きですべきことを
書き出したり、アイディアを考えたり。。
お客様への提案も、「こんなのどうですか」て手書きのメモを見せてから
反応が良かったものを提案したりしていました。

思えば、私は困ったときは「手紙」をいつも書いていました。

おかあさんへの「あのときはごめんね」の手紙を何度、母の寝室の前に置いたか。。
恋に悩んだ時も、自分あてに手紙を書いたり。。笑

私にとって、手紙は、心強い武器でした。
手紙のおかげで、悩みを傍らに置いて前を進むことができました。
感情をコントロールし、「そうありたい私」でいることができました。

表現することって、とっても大事なことだと思うのです。
たくさんの情報が、感情が、日々私たちの中に入ってきます。
そしてきっと、いまのこどもたちは、もっとたくさんの情報が舞う世界で
生きていくことになるのです。

たくさんの情報を食べておなかを壊すことなく生きていくには
上手に情報を「観察して」「選んで」自分に響くことを「表現する」ことが
必要になることは容易に想像できます。

それは、音楽でも、絵でも、なんでもいいと思いますし、
私の場合は手紙でした。

私は、息子に絵を楽しんでほしいと思いますが、画家になってほしいわけではありません。
たくさんの歌を一緒に歌って楽しんでいますが、歌手になってほしいわけではありません。

ただ、外の刺激でおなかがいっぱいになったときに
きちんと外にだすことができる人になってほしいと思っています。
そしてどんな方法でそれを為すかは、自分で選択してくれればいいかな、と思っています。
外にだすことができれば、前に進むことができると思うから。

わたしの武器は「手紙」だったけれど、息子の武器はなんだろう。
いつか自分で選び取る日まで、私は息子と、絵を描き、歌う。

atelier BON

自由な表現で五感の解像度をたかめ、大切なものを大切に思える子を育む場所 1歳半から小学校入学前のおこさまを対象とした 宝塚の山手住宅地のちいさなアトリエです

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